子どもの食事の好き嫌いを克服したい!原因と家庭でできる対処法
お子さんの食べ物の好き嫌いに悩んでいませんか?
栄養バランスを考えて作っても、残したり、食べなかったりすると心配になりますよね。しかし、食べ物の好き嫌いは、子どもの成長過程で自然なこと。「なんとかして食べさせないと」と無理をする必要はありません。今回のコラムでは、子どもが食べ物を好き嫌いする原因と家庭でできる対処法を解説します。
子どもが食べ物を好き嫌いする原因
お子さんが特定の食べ物を食べたがらないのは「食わず嫌いなだけ」ではありません。まずは、子どもが食べ物を好き嫌いする理由を見ていきましょう。お子さんの食事の様子を思い出しながら、読んでみてください。
本能的に苦味や酸味を避けている
苦味や酸味は、腐ったものや体に害のあるものと味が似ているため、本能的に避ける傾向にあると言われています。特に幼い子どもは、食べても大丈夫かどうかを判断する経験が少ないため、苦味や酸味を危険だと察知し、食べないことがあるのです。また、子どもの味覚は大人よりも敏感なため、苦味や酸味をより強く感じてしまうとも言われています。大人が気にせず食べられる食材であっても、子どもにとっては食べにくいと感じているかもしれません。
見た目や食感が苦手
「見た目が気持ち悪い」「ドロっとした食感が苦手」など、見た目や食感に抵抗があり、食べない場合も考えられます。感覚が敏感な子どもほど、この傾向が強いようです。中には「コロッケが口の中に刺さって痛い」と感じて食べない子どももいます。
一度お子さんの食べない料理の特徴を振り返ってみると良いでしょう。
食べ物にトラウマがある
特定の食べ物を食べた後に、お腹が痛くなったり、気持ち悪くなったりした経験があると、次から食べないことがあります。体調以外にも、魚の骨が喉に刺さった経験や、無理やり食べさせられた経験からトラウマになった子どももいます。食事を急かしたり、無理やり食べさせたりするのは禁物です。トラウマは簡単に克服できないため、焦らず見守っていきましょう。
友達や家族の影響
友達や家族の好き嫌いが影響していることも考えられます。子どもは普段食べ慣れないものに対して警戒心を抱きやすく、周りの人を観察します。その際に、周りの人が食べないと「食べないほうがいいのかもしれない」と感じ、口にしないことがあるのです。また、食べる機会が少ない食べ物は、苦手になりやすい傾向もあります。例えば、保護者が魚が苦手で、お肉ばかりが食卓に出ると、魚を食べる機会が少なくなります。そのため、「食べたことのない食材=食べない方がいい」と感じ、子どもも魚が苦手になりやすく、好き嫌いにつながってしまうのです。
家庭でできる3つの対処法
子どもが好き嫌いをするのは自然なことだとわかっていても、できるだけバランス良く食べてほしいと思ってしまいますよね。ここからは、子どもの心を大切にしながら、家庭でできる工夫や対処法を紹介します。
味付けや調理法を変えてみる
味付けや調理法をいつもと変えて食卓に出してみましょう。<例えば、野菜を炒める場合、お肉やツナ、じゃこなど旨味のある食材を混ぜることで食べやすくなります。調味料を足すと味が濃くなってしまうため、食材をプラスして味付けを変えるのがポイントです。調理方法を工夫するのであれば、煮る・蒸す・炒める・揚げるなどバリエーションを増やして、変化をつけてみると良いでしょう。ゆでたブロッコリーは食べられなくても、シリコンスチーマーに入れて電子レンジで加熱したブロッコリーは食べられるお子さんもいます。 子どもが苦手な食材で、いろんな調理法を試してみてください。
見た目を工夫する
料理の見た目を工夫するのもおすすめです。
・苦手な野菜をクッキーの型で花や星の形にする
・ツリーやケーキのような盛り付け方にする
・海苔などを使って、料理に顔や模様をつける
このように見た目を工夫することで、子どもが興味をもち、食べられることがあります。
また、お気に入りのキャラクターのお皿やコップ、スプーンを使うことで食欲が増すことも。食材だけでなく、食器を工夫するのも効果的です。
一緒に料理をする
子どもと一緒に料理をすることで、苦手克服のきっかけになることがあります。
例えば
・野菜やきのこをちぎる
・野菜の皮をむく
・ソースを混ぜる
・お皿に盛り付ける
など、簡単なことからお手伝いを頼んでみましょう。
いつもと同じ料理でも、自分が作るとおいしく感じるものです。
料理をしながら、「玉ねぎを切ると涙が出るね」「トマトは、風邪をひきにくくしてくれるんだよ」と教えてあげましょう。一緒に料理をしながらコミュニケーションをとることで、食育にもつながります。
子どもの心を大切にしながら成長を見守ろう
子どもの好き嫌いが激しいと、時にはイライラしてしまうこともあるでしょう。しかし、成長とともに何かのきっかけで食べられるようになったり、好きな食べ物が変化したりすることはよくあります。「今は食べられないかもしれないけど、いつか食べられるようになったらいいな」「他の食材で栄養が取れたらOK」とおおらかな気持ちで、子どもを見守ってあげてください。
今回のコラムで紹介した方法は、全て行う必要はありません。まずはできそうなことから始め、保護者の方もお子さんも無理のないようにしてくださいね。家族にとって「楽しい食事の時間」になりますように!