子どもの読解力を上げる方法とは?家庭でできる強化法も紹介!後編
前編では、読解力を上げる方法を紹介しました。後編では、家庭で取り組むことのできる読解力の強化方法について解説していきます。子どもの学習意欲やコミュニケーション能力に関わる読解力。読解力を高めて、「生きる力」を身につけ、社会で活躍してほしいと日頃から保護者の方や先生方は願っているかと思います。読解力は、1日で身につくものではありません。日々の積み重ねが大切です。家庭でも取り組める内容をピックアップしましたので、ぜひ最後までご覧ください。
家庭でできるこどもの読解力強化
読解力を高める方法は、前編を読んで理解できたかと思います。では、家庭で実践できることは何があるのでしょうか。今日から取り入れることのできる方法を3つ紹介していきます。
読書の機会を増やす
前編でも解説した通り、文章をたくさん読むことが必要です。「読書離れ」「活字離れ」が叫ばれている現代ですが、子どもに本を読む習慣を身につけさせることが読解力向上につながります。とはいえ、今まであまり読書に親しんでこなかったお子さんもみえるかと思います。その場合は、保護者の方が読書を心がけてみてください。厚生労働省が調査を行なった「第8回21世紀出生児縦断調査(※2)」では「親がよく本を読む家の子どもは、童書や絵本などをたくさん読んでいる」という結果が報告されています。
読みやすいと感じる本や興味のある本から手に取ってみてはいかがでしょうか。もしくは、本屋さんやオンラインショッピングのランキングも参考になるかと思います。読書は楽しいものである、身近なものであるということをお子さんに示すことが大切です。「30分だけ一緒に本を読まない?」と声かけをして、読書タイムを意識的にとるのも良いかもしれません。
また、お子さんが読書をしていたら「どんな本なの?」と問いかけて、読んだ本の内容を話してもらうのも効果的です。答えにくそうにしていたとしても、その子なりの言葉でまとめられるようじっくり話を聞いてあげましょう。まだ幼い場合には「どんな人が出てくるの?」「その子はどうなったの?」と順番に話を広げていくと、子どもも話しやすいかと思います。年齢に合わせた声かけが大切です。
「読書をするのは大切だということはわかったけど、うちの子は漫画しか読まない」という方も安心してください。興味関心のない本を無理に読ませる必要はありません。その漫画のあらすじや読んだ感想を教えてもらうだけでも子どもの読解力は高まります。ぜひお子さんの「読みたい!」という気持ちを優先して取り組んでみてください。
※2 厚生労働省 第8回21世紀出生児縦断調査結果の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/syusseiji/08/dl/05.pdf
音読を習慣にする
正しい日本語を使う機会を増やすためには、音読も効果的です。「音読」と聞くと教科書などを読み上げるというイメージがあるかと思います。しかし、何を読むのかが大切なのではなく、正しい日本語が書かれている文章であれば良いのです。
例えば、商品の説明書であったり、ポストに入っていたチラシなど、身の回りにある日本語を読んでもらうようにします。日常的に行うことで、文章を読むことへの嫌悪感を取り除くことができるのです。そして音読してもらった後は「読んでくれてありがとう」「わかりやすかったよ」などとお子さんをぜひ褒めてあげてください。「人の役に立てた!」という経験は、子どもたちの自信ややる気につながります。「読書百遍、意自ずから通ず」という故事成語がありますが、「難しい書物であっても、何度も繰り返して読むことで、その意味は自然とわかってくる」という意味の教えです。音読を繰り返すこと、そして継続することで読解力向上に大きく役立ちます。身近な音読をぜひ取り入れてみてください。
子どもとの会話を増やす
ライフスタイルの変化で、共働きであったり、不規則勤務であったりなかなか子どもとゆっくり話す時間がないというご家庭もあるかもしれません。しかし、子どもとの会話が読解力、そしてコミュニケーション力向上には欠かせません。前編でもお伝えしましたが、家庭内での会話が子どもの語彙数に大きく影響します。できるだけ時間を見つけて会話をするようにしてください。
特に大切なことは、「自分の感じたことを表現する」「子どもの疑問に答える」ということです。例えば、一緒に本や映画を見た時は「どう感じたか」「なぜそう思ったのか」など感想や意見を話し合ってみましょう。自分の意見に根拠をもって伝える練習になります。また、普段の生活で子どもが「どうして?」と質問してくることがあるかと思います。忙しいと説明を省いてしまいたい時もあるかもしれませんが、理由を説明することで理解しようとする力や相手の言ったことを読み取る力が身につきます。もし、保護者の方も説明が難しいということがあれば、一緒に辞書などで調べて親子で理解を深めてみてください。
後編のまとめ
後編では、家庭でできる読解力を強化する方法についてお話しをしてきました。家庭でできる方法は、まとめると以下の通りです。
・親子ともに読書の機会を増やす。
・身近なものを使って、音読を習慣にする。
・日頃から子どもとの会話を増やす。
他にも様々な方法がありますが、まずは上記のことを行なってみてください。そして、私たち大人も、子どもたち以上に読解力を高められるように普段から意識していきましょう。