「絵本の読み聞かせ」の効果とは?始める時期やポイントも紹介
「絵本の読み聞かせは、子どもの教育に良い」と言われています。では、実際にどのような効果があり、始める時期はいつが良いのでしょうか。今回のコラムでは、読み聞かせの効果や時期、効果的な読み聞かせのポイントを紹介します。読み聞かせの効果を最大限に活かしたい方や、これから始める方は、ぜひ最後までご覧ください。
⚫︎絵本の読み聞かせで得られる効果
絵本の読み聞かせは、子どもを楽しませるだけでなく、知能向上や人格形成など成長をサポートしてくれます。読み聞かせによって期待できる効果を4つ紹介します。
⚫︎コミュニケーション能力や読解力が高まる
読み聞かせにより、コミュニケーション能力が高まります。新しい言葉やフレーズを耳にすることで、語彙が増え、文法の理解も深まるのです。また、物語の展開や登場人物の感情を読み取ることで読解力も鍛えられます。読解力が向上すると、相手の伝えたいことを正しく理解して行動できるため、より良い人間関係を築けるようになるでしょう。
⚫︎集中力が上がる
ストーリーが進んでいくと、子どもは「次はどうなるんだろう?」と絵本の世界に引き込まれていきます。夢中になる経験を繰り返すことで、集中力が高まります。はじめは短い絵本から、少しずつ長い絵本にステップアップしていくのがおすすめです。集中力は、勉強やスポーツなどあらゆる分野で活かすことができ、目標を達成しやすくしてくれます。
⚫︎感性が豊かになる
読み聞かせは、共感力や想像力を高め、感性を豊かにしてくれます。絵本の世界に入り込むことで、登場人物の立場になって考え、気持ちに寄り添うことができるようになります。絵本には日常生活では経験したことのない世界が広がっているため、子どもは想像力を活かし、独創的なアイディアを生み出すこともあるでしょう。「この後どうなったんだろう」「自分ならどうするかな」と想像する余地の残っている絵本がおすすめです。
⚫︎親子のきずなが深まる
絵本の読み聞かせをすることで、親子のコミュニケーションが増え、信頼関係を深めます。「自分のために絵本を読んでくれている」と保護者の愛情を感じられるでしょう。また、膝の上に座らせるなどスキンシップを図りながら読み聞かせをすると、幸せホルモンである「オキシトシン」が分泌されます。オキシトシンは、不安や心配を緩和させてくれる働きをもつため、情緒の安定にも繋がります。
⚫︎読み聞かせを始める時期
読み聞かせは、子どもの言語発達に大きく貢献することから、生後数ヶ月ごろから始めるのが望ましいと言われています。早い人だと、お腹の中にいるうちから読み聞かせを始めている人も。「まだ言葉が理解できないのでは?」と感じるかもしれませんが、赤ちゃんは音やリズムに敏感です。話の内容はわからなくても、保護者の優しい語りかけに安心する赤ちゃんも多いようです。子どもが望むようであれば、小学校入学後も読み聞かせを続けると良いでしょう。
⚫︎読み聞かせのポイント
読み聞かせは、子どもの能力を高め、親子の関係を深めてくれることがわかりました。
ここからは、読み聞かせのコツ・注意点を紹介します。
◼︎年齢に合った本を読む
年齢や子どもの興味に合わせた絵本を選ぶようにしましょう。
例えば、次のような絵本がおすすめです。
0歳児:視覚で惹きつける色鮮やかな絵本
1歳児:「コロコロ」「ぐるぐる」など擬音語・擬態語が使われているリズムの良い絵本
2歳児:挨拶やトイレ、歯磨きなど生活習慣にまつわる絵本
幼児期:豊かなストーリー性のある絵本
◼︎適度な抑揚をつけて、聞きやすい声で読む
適度な抑揚で、聞き取りやすい声を意識して読むことも大切です。物語の登場人物の声や感情に合わせた声で読むことで、子どもの興味を惹きつけます。ゆっくり読みすぎると子どもの集中力がもたないため、テンポも意識してみてください。
◼︎質問や絵の説明をして話を中断しない
読み聞かせの最中に、質問や絵の説明をするのは避けましょう。「◯◯ちゃんだったら、この後どうする?」「◯◯は、どんな気持ちになったんだろう?」と子どもに質問して、理解を深めたり、考えさせたりしたくなるかもしれません。しかし、話を中断すると、子どもの集中力が途切れやすくなります。
◼︎子どもの表情を見る
ついつい絵本の文字を追って読んでしまいがちですが、子どもの表情も観察してみてください。子どもの反応を見ながら、抑揚をつけたり、あえて淡々と読み進めたりと工夫することで、子どもが興味をもって聞くようになります。また、子どもがどんな言葉に興味をもち、どんな場面で笑うのかなど、様々な発見があるでしょう。
◼︎感想を求めない
読み聞かせが終わった後、子どもに感想を求めないことも大切なポイントです。子どもは絵本の内容を聞いた後、自分なりにイメージを膨らませているものです。子どもから質問や感想を話してきたときは良いのですが、保護者からすぐに感想を求めてしまうと余韻に浸ることができません。読み終えた後も、想像力を育む時間として大切にしていきたいですね。
読み聞かせを習慣化して、心豊かな時間を過ごそう
読み聞かせは、子どもの成長に大きく貢献してくれます。スマホやタブレットが発達して、アプリに頼ることもあるかもしれませんが、読み聞かせもぜひ普段から取り入れてみてください。無理のない程度に読み聞かせを継続して、親子で心豊かな時間を過ごしていきましょう。読み聞かせを通して、子どもの能力を引き出し、親子の絆が深まることを願っています。