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子どものストレスサインとは?気づいた時の対処法とストレス解消法を紹介
子どものストレスは、大人と違い、言葉で表現したり自分で対処したりできず、心身の成長に大きな影響を与えることがあります。「いつもと体調が違う」「様子がおかしい」と感じることがあれば、もしかしたらお子さんのストレスサインかもしれません。国立成育医療研究センターの調査によると、コロナ禍で子どもの抑うつ傾向が悪化し、現在(2023年4月現在)においても改善が見られないため、注意が必要だと言われています。(※)
今、大人が子どもにできることは、何なのでしょうか。
今回のコラムでは、子どものストレスサインやストレスサインに気づいた時の対処法、ストレス解消法について紹介します。
新型コロナウイルス感染症による親子の生活と健康への影響に関する実態調査報告書(2020年-2022年)】 p.17「抑うつ傾向(2020-2022)」p.35「おわりに」
子どもの3つのストレスサイン
子どものストレスのサインは、主に3つあります。
1.身体のサイン
・頭やお腹の痛みを訴える
・お腹の調子が悪い(便秘・下痢あるいは交互に繰り返す)
・おねしょをする
・日中のおもらしや頻尿
・アトピーや喘息などアレルギー症状の悪化
・チック(本人の意思とは関係なく、身体の動きや発声が出てしまう症状)が出る
身体のサインで多いものは「腹痛」です。胃腸は自律神経の影響を受けやすいと言われています。身体に出るサインは「ただ体調が悪いだけだろう」と捉えてしまい、ストレスが原因だと気付けないことがあるため、注意が必要です。反対に、ストレスが原因だと思っていたら、別の病気だったということもあるので、症状が続く場合は受診をしましょう。
2.心のサイン
・イライラしている
・怒りっぽい
・落ち着きがない
・感情の起伏が激しい
・忘れっぽい
・すぐに泣く
・ぼーっとしてる
普段から大人しい子や活発に動く子など、性格が異なるため、普段から子どもを観察することが大切です。家庭の様子だけでなく、保育園・幼稚園や学校での様子も先生から聞いておくと良いでしょう。
3.行動のサイン
・甘えることが増える
・口数が減る、または増える
・暴力的になる
・外に出たがらない
・同年齢の友達を避ける
・好きなおもちゃで遊ばない、好きな遊びをしなくなる
心のサインと同様、普段から子どもを観察して「いつもと違うな」と感じたら、ストレスサインの可能性も踏まえて接するようにしましょう。
気づいた時の対処法
子どものストレスサインに気づいたら「声をかける」「話を最後まで聞く」ことが大切です。「どんなときにお腹が痛くなるの?」「最近何かあった?」などと声をかけたり、一緒に過ごす時間を増やして会話の数を増やしたりすると良いでしょう。子どもが話し始めたら、最後まで口を挟まずに耳を傾けることがポイントです。うまく表現できない様子が見られる場合は、「つまり、○○が嫌だったのかな?」と子どもの心情を想像しながら、聞き出してあげるのも効果的です。
ストレス解消法
子どものストレスを解消する方法を紹介します。
子どもが楽しいと感じる時間を増やす
運動や工作、料理やお菓子作りなど、子どもが楽しいと感じられる時間を増やすことで、ストレス発散ができます。特に体を動かすことは、脳内の幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」という神経伝達物質が分泌され、心に安らぎをもたらします。
よくコミュニケーションをとる
親子のコミュニケーションも、子どものストレス解消には欠かせません。特に幼少期は、身近な大人とのスキンシップが安心感につながります。手をつないだり、抱っこしたり、膝の上で本を読んだりするのがおすすめです。そして、会話を増やしたり、一緒に何かをしたり、よくコミュニケーションをとることで、子どもは「自分のことを見てくれている」「安心できる」と感じ、ストレスが和らぎます。
生活リズムを整える
ストレスは主に脳の疲れから生じるため、睡眠で休ませることも重要です。長時間のゲームや宿題を遅い時間から始めるなど、睡眠を削るような生活をしている場合は、生活を見直す必要があります。また、偏った食事により栄養素が不足すると、ストレスを感じやすくなることがあります。さまざまな食材を取り入れた、バランスの良い食事を心がけましょう。
ストレスの原因を見つけ、解消できるようサポートする
ストレスには、本人だけで解消できるものもあれば、周りのサポートが必要な場合もあります。「習い事で忙しすぎる」「特定の子どもから嫌がらせを受けている」など、大人のサポートが必要な場合は、原因を解消できるように努めましょう。しかし、ストレスが全くない状態を作ることはできません。子どもがこれから自立していくために、自分でストレスを乗り越えられるようにすることも大切です。子どもの話をよく聞き、前向きな考え方を教えたり、声かけしたりして、乗り越えられるようにサポートしていきましょう。
子どもが安心して話せる環境を整えよう
子どものストレスサインには「身体のサイン」「心のサイン」「行動のサイン」の3つのサインがあることを紹介しました。幼いうちは、ストレスを感じていてもうまく表現できず、発散できないことが多々あります。そのため、周りの大人が子どもの変化に気づき、サポートしていくことが大切です。日頃から子どもとよくコミュニケーションをとり、子どもが安心して話せる環境を整えるようにしましょう。